2026/02/22 18:00
父と娘が過ごすひと夏のバカンスを描いた作品『アフターサン』。
物語としては決して大きな出来事が起こるわけではありません。
リゾート地での何気ない時間、ぎこちない会話、ふとした沈黙。
そのどれもが、静かに積み重なっていきます。
印象的だったのは、父と娘の関係性が常に“微妙なバランス”で保たれていること。
仲が悪いわけでもなく、かといって完全に分かり合っているわけでもない。
その曖昧さが、どこか現実の親子関係と重なります。
大きな悲劇が起きる予感はないのに、なぜか目が離せない。
不思議な緊張感が全編に漂っています。
この作品は多くを説明しません。
感情も背景も、はっきりとした答えは提示されない。
だからこそ、観る側の記憶や経験によって解釈が変わる余白があります。
久しぶりに「考えながら観る」時間を味わえた一本でした。
静かな余韻を大切にしたい方におすすめのドラマです。


